表現のコモンズ vol.11 松本一哉「 を 聴く 」
- 日本語
- ENGLISH
音楽家の松本一哉によるワークショップ「熊になる」とパフォーマンス「 を 聴く 」を開催します。松本はこれまで全国を巡り音による即興表現を行ってきました。ここ青森でも何度かパフォーマンスのために訪れています。今回は初となる国際芸術センター青森(ACAC)を舞台に環境や建物に呼応する二つのプログラムを実施します。
松本は2021年から北海道知床で毎年開催している「葦の芸術原野祭」の立ち上げから運営を行っています。ワークショップ「熊になる」は「葦の芸術原野祭2024」で初めて実施されました。「熊になる」というタイトルは松本が知床の森で熊に何度か出合った経験や、「葦の芸術原野祭」の実行メンバーである川村喜一さんが松本の音を探す行為を「熊と同じ状態で森に居る」と称したことから名付けられました。このワークショップでは松本が講師となり、音を聴くことの解像度を深め、日常に溢れる音の豊かさを知るきっかけとなるワークを行います。
また、今年も松本はさまざまな土地に訪れ、その場所とその場に訪れる人々と対話をするように音のパフォーマンスツアーを行っています。「 を 聴く 」という言葉は何をどのように聴いても良く、個々人にしか聴こえていない音がある中で聴いている音やどのような聴き方をしているか共有したいという松本の音に向かう態度を示しています。豊かな自然や特徴ある建物を持つACACと今回訪れる人に松本が向き合いどのような音の空間が生まれるのでしょうか。
本企画はワークショップとパフォーマンスの二構成ですが、どちらか一つのみでもご参加いただけます。いずれも予約制ですので、下記の予約フォームからお申込みください。
予約フォーム:https://forms.gle/pUXjGHDouFmUvQJv7
※いずれも先着順となります。定員に達し次第募集を締め切ります。
ワークショップ「熊になる」
集合:展示棟ラウンジ
日時:2025年10月25日(土)15:00-16:00
定員:10名
対象:中学生以上
※無料、要予約
パフォーマンス「 を 聴く 」
集合:展示棟ラウンジ
日時:2025年10月25日(土)16:30-18:00
定員:30名
※無料、要予約
-
松本一哉MATSUMOTO Kazuya
音楽家・サウンドアーティスト・ドラマー。
環境ごとにあるモノ・造形物・自然物・身体など、本来楽器では無いモノも用いて多様な音表現を行う。自身で起こす音と場所毎に偶然に起こる環境音とが渾然一体となるように働きかけていき、日常の聴き慣れた事象に新たな切り口を与え、音に没入させる即興表現を追究している。
これまでにソロ作品「水のかたち (2015)」「落ちる散る満ちる (2017)」「無常 (2022)の3作品をミニマル・アンビエントの名門レーベルSPEKKからリリース。
その他リリースに、バストリオのレジデンスプログラム内で制作した「オープン・グラインドハウス(2018)」、TAMARUと津田貴司とのトリオ音源「Amorphous (2021)」、坂本龍一追悼企画アルバム「Micro Ambient Music (2024)」などがある。
偶然に起こる環境音との即興による音源制作を基に、全国各地で行なっているライブパフォーマンスやサウンドインスタレーション、展示会場に滞在・生活して音を展示し続ける動態展示、映画 / 映像作品 / 舞台公演 / 商業施設への楽曲制作、コロナ禍にライブ公演を行わず人に会いに行く事を目的に企画した「人の音を聴きに行くツアー」、パフォーマンスユニット「バストリオ」の企画や公演に参加するほか、2021年から北海道知床で毎年開催している「葦の芸術原野祭」を立ち上げから運営するなど、全国各地で音による表現を軸に土地や人や文化と関わる活動を展開している。