チーロの4つの 空気 三原聡一郎
Four Air of Ciro -MIHARA Sochiro

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photo by Sabrina Caramanico

イントロ

帰国して、あのじりじりとした日差しを懐かしく思いながら、イタリアでのパフォーマンスで使用したミルを洗っている。白いセラミックの溝は葡萄の紫に、また所々が黄色、緑、そして青く染まっている。レモン、ルッコラに各地の花々だろうか?彼の地で燻してきた有機物の痕跡をぬるま湯で流しながらブラシで優しくこそいでいる。白さを取り戻したミルを拭きながら、プローチダでの皆と最後の夕食の何気ない会話を思い出す― 家で過ごす時間の増えたパンデミック下でしたことは何?―「初めてラグー(ミートソース)をつくったわ」–何てイタリアらしいエレナの解答…!私はというとコーヒーを飲む頻度が増えたので、手挽きのミルにモータを装着し、風味のための超低速回転出来るように自動化したのだった。何となく持っていったこの装置が、イタリアの地でパフォーマンスとして活用されるとは思ってもみなかった。

旅 < AIR < 住


海を越えて久々のアーティスト・イン・レジデンス(AIR)、イタリアは10カ国目。これまでの経験から想像するに一月で4ヶ所移動が続く忙しい滞在制作。テーマ Energy in Ruralの下に農村地帯に向かう私は、有機物と戯れるフレームワークを探すことだけを頭の片隅に、あとは現地で何とかなるだろうと自分を信じて空港に向かった。フライトはウクライナの状況か、航路を大きく北極側に迂回してローマ・ヒューミチーノ空港に。陸路で東へ2時間、アドリア海を臨むアブルッツォ州ペスカーラを経て農と現代芸術の研究所という印象のポリナーリア(Pollinaria)が最初の滞在地だ。そして南下してカンパーニャ州東端のアクイローニアの民俗博物館MEDA、そして同州南西のサン・マルティノVC(San Martino Valle Caudina)でのLiminariaフェスティバルに参加した後、ナポリ湾に浮かぶ離島プローチダ(Procida)開催の伊文化首都への参加、これが今回の流れだ。AIRは、旅以上、定住未満と常に思うが、制作と並行する新鮮な日常が独特の近さを生む。現地で繋がった新しい友人達アミーチの誰かが私の名前を短くチーロ(Ciro)と呼び始めると盛り上がって即定着してしまった。ナポリを強く思い起こす男性名らしく日本から来た地元アーティスト?!の様な響きだったのだろう。何が起こるかはわからない。ふとしたきっかけを貪欲に吸収できる様に、イタリア語入門書を読み、ラップトップは持たないと決めた滞在制作が始まった。

緑、紫、黄そして青





深い緑のオリーブ、濃い紫の葡萄、眩しい黄色の小麦畑、そして「我々の」と呼ばれる野菜の存在、これがこの地の豊かさであり幸せだ!とまず感じたのが最初に滞在したポリナーリアだ。アブルッツォ州の国立公園である山肌に囲まれ、父、母と慕われる壮大な山、グランサッソとマイエッラ両方を眺められる絶景のロケーション。冒頭の4種の農園に囲まれる素敵な家が滞在制作の拠点である。農民の朝は早く5時半に仕事が始まるとのことで、ならば時差ボケは直さずにおいた。空の青白さの変化、雲の厚みと流れを主宰するガエターノ・カルボニ(Gaetano Carboni)氏が眺めては次の流れを伝えてくれる。当日の作業メニュは青空の青さで決まる…。まだだ…いや、まだだ……30分後に開始する!待つこと数日、目の前の小麦畑に雨の降らない数時間を予測して巨大な収穫機を足早に走らせる8月は小麦の収穫期だ。作業は平行して、ワインのコルク栓詰めにエチケット貼り、この大地の葡萄種であるDOCのラベルを張れる誇らしさを少しお裾分けしてもらう。オリーブは青く収穫前だったので、何と祖父の代の旧工場を改修した博物館を見学。ワインの名に冠されるアモロッティ(Amorotti)とは1521年にこの地に移住した一族でガエターノはその子孫と知り、この豊かな風景が数世紀と共にあることを実感できてきた。作業の節目にはPollinariaのアルミドーロ&マニュエラ夫妻の家に総勢20人程が集まる楽しいランチ。アブルッツォならではのキッタラ(パスタ)、にアロステチーニ(羊の串焼き)をアモロッティで乾杯。食後酒はリンドウの根と白ワインでつくる苦味の効いたジェンツィアーノで〆る。アブルッツォ風な美味しい!( è buonoでなく)è buonu!が皆の口からこぼれる。うってかわって農作業が穏やかな時はゆっくりと一人で新作のきっかけを探す時間だった。Pollinariaのオリーブオイルにワイン、収穫したばかりの小麦に野菜を使い、育んでくれた大地を眺めながら深い青空の下で自炊を楽しんだ。


《L’aria del giorno / 本日の空気》


photo by Sabrina Caramanico
近くに住む新しい友人アレッサンドロ (Alessandro)が数日内に蜂蜜の初採取を行うと聞き参加してみた。蜜蝋をお土産にもらったので、文字通りのEnergy in Ruralを体現する方法を思いつく。湯煎して木綿生地を針金で巻いた芯を加えるとあっさりと蝋燭完成。日々、フィールドで作業をし、気になった有機物を取っておいていた私は、それらを乾燥させ、例のミルで挽いた粉末を蝋燭の熱で温めた陶器にふりかけてみた。じんわり立ち上る微かな香りから、採取した時の状況や、その作物のイメージが香ってくる面白さを感じた。何よりも幾つかを連続で試すことで混ざり合ってぼやけてくるのだが、何とも言えない香りが実際に生成されることに面白さを覚えた。香りはパンデミックでマスクを付けることが多くなったことで、日々日常の実感に無意識に深く関わっているのではないかと推測し近年の制作テーマであった。ポリナーリアのガエターノとパートナーのヘラ への質問で覚えているのが、この地を象徴する香りを一つ教えて?というものだ。要約すると一つ答えるのは難しく…、渾然一体とした香りを季節ごとに感じるという。その日その日の空気が存在し、絶え間ない変化がふと香ることがここの空気を吸い込んで生きる実感の一つなのだろう。こんな、日常のふとした実験と対話を経て、いまここの空気を生成する新作パフォーマンス《L’aria del giorno 》は生まれた。本日の空気とでも訳されるこの言い回しは、レストランのメニュでよく見かける形式から拝借した。組み合わせの妙があるらしく、以降このプロジェクトでは何かとdel giornoを語尾につけるのが流行り始める。ともかくの世界初演!では、先に述べた蜜蝋で自作した蝋燭とソーラパネル駆動でミル挽きを行い、草花や野菜と共に8種の小麦、オリーブの枝、そして葡萄(モンテプルチアーノ種)を夕方の日差しが和らいだ空気に乗せた。その後、現地の研究者、文化プロデューサ、ガエターノに今回の共同キューレター達のレアンドロ・ピサノ、そしてこの日に合流した四方幸子さんとのシンポジウムにて滞在のエピソードとして空を眺める話と感謝を述べて、無事に最初の滞在制作を終えた。


アクイローニアあるいはカルナーラ





翌早朝の出発。早速立ち寄ったバールでレアンドロからカプチーノは熱すぎてはならず、またデニッシュ生地の甘いコルネットの種類の多さを知る。途中イタリアでも特に貧しいという地域を幾つか通り、似つかわしくないドレスの人影や風力タービンの増加に実感してくる。山並みが一段と深くなってきたところで丘を越え突如現れたのが明確なメインストリートのあるアクイローニア(Aquilonia)だ。かつて現地っ子がカルナーラ (Carunar)と呼んだ地震で崩れ去った旧市街から少し離れて位置する。この街の歴史文化を残すべくボトムアップで開設された民俗博物館MEDAに滞在した私は、この街で新しい文化の試みを進めるディレクターの建築家エンゾ・テノール(Enzo Tenore)によるAIRプログラムとして光栄にも2番目に滞在したアーティストだった。彼もイタリアの偉大なバンドAREAのファンであり、インスタレーション《空気の研究》に素晴らしい照明アイデアをもたらした天才だ。博物館では館長のヴィト(Vincenzo Tenore)から鍵を受け、工具が一式揃うラボを制作スペースとして自由に出入りできるように計らってもらった。日々、耳を慣らすためにラジオを流しながらパフォーマンスのブラッシュアップを進めた。実はポリナーリアで準備しつつも出来なかったことがある。パフォーマンス冒頭にイタリア語で語ろうとテキストは用意していたのだが、初めて挑む香りのパフォーマンスに集中するためにスキップしたのだ。なのでイタリア語で語る余裕を得る為に、セットを改良し予行演習をラボで行った。有機物を引き続き探すべく、会うたびにチーロ!と軽快に呼ぶヴィト (Vito Di Prenda)とカルミネ (Carmine Solazzo)、隣街のビザッチャに住むカルメ (Carmela)が近隣のモンテヴェルデ、ビザッチャ市街、サン・ピエトロ湖を案内してくれ彼らの友人や市長さん!とも合流して楽しみながら道中ね有機物を摘んでは集めていった。イタリア語の会話、もちろん文法詳細はわからないが、何故か感覚として言葉を超えたものを把握できる様な気がした。ラテン語の響きが好きだし意味も少しは推し計れるのでパフォーマンスのためにも耳はよく澄まして聞いておいた。かつて大地震のあった日付が滞在最終日で2回目の《L’aria del giorno》をイタリア語で無事にこなし、エンゾ、レアンドロそして四方さんとのラウンドトークを無事に終えた。トークはこの博物館の創設にも関わったパトリシア (Patrizia Ramundo)の通訳を借りたが、自分でdeeplを駆使したイタリア語に関しては、そのままで良いと煽てられた。一歩一歩、新しい作品がその地で肉付けされて完成されていく様な、初めての滞在制作の形式だった。


相性や組み合わせでない調和




翌日、レアンドロの住むサン・マルティノVCへ。途中あのタウラージのワイン畑をハイウェイ越しに眺めながら、モンテヴェルデ訪問を共にしたフランチェスコの車で送ってもらうと、葡萄と無花果の木に包まれたイタリアらしい素敵な家に到着した。ワインの話をよくしているのか、翌日にサンティゥオーリオ(Santiuorio)というワイナリーを紹介してもらった。オーナーのエルミニオ・コヴィーノ(Erminio Covino)氏が出会うなり試飲させてくれたのだが、口に拡がる圧倒的な存在感に圧倒され、私は即座に一つの提案をした。明日、一緒に働きたい!と。驚きつつも笑いながら朝早いけど何時に来れる?と聞かれたので(時差ボケを治してないので)5時半!と即答したら少しの間をおいて7時半集合に。その日は同じくフェスティバルに参加するアーティスト達とディナーを済ませて早々と就寝した。翌朝到着すると、まずカフェに連れて行ってくれた。カプチーノにサクサク生地が美味しいナポリ名物スフォッリァテッラを口に放り込んだら、真っ赤な帽子と鋏を渡された。さあいよいよフィールドへ。本日の作業はトリミング。ワインの樹の生育具合を見て、伸び過ぎた枝を切りつつ適度にワイヤーに絡ませる。相当な日差しの中でひたすら枝葉との対話。何回かの休憩を挟むので昨日のワインを思い出しながら「アビナメント」って何?と聞いてみた。「我々の」ワインは強いと、でもそれは「我々の」野菜や肉と共にあるからなんだと。話が続くうちに初めて、ペアリング、マリアージュとは別の軸にあるアビナメントが理解できてくる様に思えた。マリアージュは相性だ、そして自由な組み合わせのペアリングは非常に現代的だ。その二つとも異なり、強い存在感を拮抗させるアビナメントはその地の恵みを統合的に味わう究極の均衡かもしれない。午前はワイン畑、午後はじゃがいもを獲った我々は、昼も夜も野菜からプロシュートまで全て自家製でつくられた料理をSantiuorioと共に頂いた。これがアビナメントか!と身をもって体感する貴重な一日だった。



さて《L’aria del giorno 》では生成された空気をナイロンバッグに封じて終えているのだが、中に何か現地の当日のラベルとして記されているものを入れたいと思っていた。その日のローカル紙の日付を切り取って入れるアイデアを思いついていたが、このサン・マルティノVCでは入手することが出来たのだった。そして有機物については準備万端だった。土のワークショップで行われたハイキングに参加し、山歩きからたっぷりと有機物を仕入れておいた。地元でも知る人ぞ知る滝とその源流を歩く道程では、この灼熱の夏に最高のリフレッシュだった。LiminariaそしてInterferenzeはそれぞれ広義の非中心的な、聴覚文化に照準を合わせたプログラムを展開し、シンポジウムからパフォーマンスまで充実したプログラムが展開された。新しい友人もふるい友人も繋がる。繊細に気流を扱うフェリックス・ヘスの活動との類似を真っ先に指摘してくれたフランチェスコ・ベルガモ氏、非常に共通の友人の多いファビオ・プレッタ、Walking from scoresというプロジェクトを行うエレナ・ビゼルナ(Elena Biserna)達とサウンドウォークを、そして何と2006年のトランスメディアーレ以来にアレクサンドロ・ルドビコ(Alessandro Ludovico)氏との再会を楽しんだ。


レモン、そして野生のルッコラの島へ




明朝、レアンドロの車に、エレナ、四方さんと乗り込みナポリを経由し今年の伊文化首都のプローチダ島へ。ナポリ港からは高速フェリーで30分。真っ青な海にカラフルなパステル調の建物が連なるまさに風光明媚な小島へ到着。しかしこの日はタイトだ。アパートに荷物を置き即会場へ向かうと見渡しの良い高台ではないか。眩しい夕日を浴びながら、早速パフォーマンスキットをセッティングする。今回は散策の余裕はないので、これまでの各地の有機物を使う予定だが、覗いてくる人やスタッフに、名産のレモンや有機物の話をすると、突然傍を指さされた。野生のルッコラを試しに食すとスパイスの様に舌が熱くなった後、ゴマの様なまったりした甘味の後に青臭さがくる。これは使おう!と決めた時に、ありがたいことに好意によりレモンが到着!この2つさえあれば準備万端。我らのキュレータ2人とProcida2022のディレクターであるアゴスティーノ・リータノ(Agostino Riitano)と共にプロジェクトについて話した後、《L’aria del giorno / 本日の空気》を実行。イタリア語のイントロに慣れてきたかも知れない。そして4回目で初めて空気をきれいに密封することが出来たのだった。四つ目の空気だ。不可算名詞だが、複数形のarie(空気)だろう。翌日夕刻にはインスタレーション《空気の研究》の展示が始まる。旧教会の高い天井が美しく、見晴らしの良い屋上を見つけ順調にセンサしたところで、突然、メディアアートならではの洗礼を受けた。怪しい挙動の電源装置を掴んだ私の手を230Vが離さず、突然のさようならを告げられた。離島にも関わらずテクノシャンのサルバトーレ (Salvatore Cosentino)は冷静沈着だった。彼に救われた私の芸術はメメントモリの紋様タイルの上をふわふわと行き来する、何とも神秘的な光景であった。

集まってくれた人達と作品について語った後、達成感と共に会場を後に。私はもう1泊するのでレアンドロ、エレナ、そして四方さんを送る為に港へ。まだ時間があるのでピッツェリアに。もはや親類の様に何気ない話題が続く。家で過ごす時間の増えたパンデミック下でしたことは何?ー「初めてラグー(ミートソース)をつくったわ」ー長い様であっという間の滞在制作が終わった。展示にパフォーマンスを4連続、それぞれの状況を楽しみながら、これまでで最も美味しく人懐っこい滞在制作だった気がする。大きなトラブルもなく、少々の心配はあったが全てうまくいった気がする。


エナジーインルーラル

この後、私はせっかくのイタリア滞在なので、ボローニャにモランディ、ベネチアにビエンナーレ、そしてトリノにアルテポーヴェラを見に行った。途中のモデナとバローロも良い思い出だ。イタリアでの故郷のようなアブルッツォそしてカンパーニャにまたすぐに戻りたいし、アルプスにサルディーニャ、プーリアにシチリアそしてフィレンツェにも行く機会をすぐにでも見つけたい。そして更に今回イタリアの友人がそうしてくれた様に、自分も日本でマイクロレジデンスを行える制作拠点を持ちたいかもしれないと感じた。エナジーインルーラル、それは現代の枠組みを相対化する様な思考ではなく、一個人が生きる大地との基本的なつながりを感じることだろう。毎朝、スプーン一杯から口に広がる香りが土や踏み心地を想起させる、雄弁な我々のオリーブオイルを食べるという、かつてのイタリアの習慣をまた試しに行きたいなと思っている。

  • 三原聡一郎 
    MIHARA Soichiro

    1980年東京生、京都を拠点に活動中
    世界に対して開かれたシステムを提示し、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、気流、土そして電子など、物質や現象の「芸術」 への読みかえを試みている。2011年より、テクノロジーと社会の関係性を考察するために空白をテーマにしたプロジェクト を国内外で展開中。2013年より滞在制作として北極圏から熱帯雨林、軍事境界からバイオアートラボまで、芸術の中心から 極限環境に至るまで、これまでに計8カ国12箇所を渡ってきた。
    主な個展に「空白に満ちた世界」(クンストラウム・クロイツベルク/ベタニエン,ドイツ,2013/京都芸術センター、 2016)、グループ展に、札幌国際芸術祭2014(芸術の森有島旧邸, 2014)、「サウンドアート̶̶芸術の方法としての音」 (ZKM、ドイツ、2012)など。展覧会キュレーションに「空白より感得する」(瑞雲庵, 2018)。共著に「触楽入門」(朝日 出版社、2016)。アルス・エレクトロニカ、トランスメディアーレ、文化庁メディア芸術祭、他で受賞。プリアルスエレク トロニカ2019審査員。日産アートアワード2020ファイナリスト。また、方法論の確立していない音響彫刻やメディアアート 作品の保存修復にも近年携わっている。

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Coming Soon…

  • MIHARA Soichiro

    Aiming to make art that openly engages with the world, MIHARA creates systems that employ a wide range of materials, media, and technologies, such as acoustics, bubbles, radiation, rainbow, microbes, moss, air stream, soil and electron in order to continually questions the here and now. Since 2011, after an earthquake and tsunami struck the East coast of Japan, he has been working on ‘blanks project,’ which explores the boundaries of the systems that drive modern society. Since 2013, he participate residency program from center of contemporary art to extreme environment, such as poler region(ars biaorctica), rain forest(labverde), DMZ(REAL DMZ PROJECT),

    MIHARA has exhibited and awarded internationally, as his solo exhibition “The World Filled with Blanks” was held at Kunstraum Kreuzberg / Bethanien in Berlin in 2013, and Kyoto Art Center in 2016. Group exhibitions include “Open Space 2017: Re-envisioning the Future” (ICC, 2017), “Elements of Art and Science” (Ars Electronica Center, Linz, 2015‒16), “Sound Art̶Sound as a Medium of Art” (ZKM, Karlsruhe, 2012‒13), residency at 10 sites of 8 countries such as SymbioticA (Perth, Australia), DEPO2015 (Pizen, Czech Republic), Kuandu Museum (Taipei, Taiwan) and Do a Front (Yamaguchi, Japan), awarded from Ars Electronica, Transmediale, Japan Media Arts Festival, co-auther of “Haptics Hacks(Asahi Press, 2016)” and Jury of Prix Ars Electronica 2019. Finalist of NISSAN ART AWARD 2020. In recent years, he has also been involved in the preservation and restoration of sound sculptures and media art works for which no methodology has been established.

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