多田展関連ワークショップ「面打ち」
2018.6.3.日曜日
5月26日、27日は、多田友充展関連ワークショップ「面打ち」を行いました。
以前よりACACのワークショップに参加したことのある多田さんが、参加者と一緒に何か集中してものを作る時間を設けようということでの企画となりました。
講師は、三沢市在住の井上京香さんです。
井上さんは、以前三沢に勤務していたお兄さんのところに遊びに来て、三沢の地が気に入り住み始めたそうです。今は三沢市で「氈鹿(あお)」という能面ギャラリーのある喫茶店を営みながら、能面を制作したり、各地で面打ちを教えたりされています。
能面を彫ることを「打つ」というそうで、のみと彫刻刀を使って一つの角材から「粗彫り」、「中彫り」、「仕上げ彫り」の三つの工程で進められます。
通常、能面の大きさは長さ20cm程ありますが、今回は2日間の制作で通常の半分の大きさでの「面打ち」です。
木材は、井上さんが能面を打つときに用いている、香りもとてもいい青森ヒバ。
始めに井上さんが用意された正面と横の型紙を、木の面に置いて写していきます。
それからさっそく平のみでどんどん角を落として粗彫りをしていきます。
みなさんで一斉に彫りはじめると、ワークショップスタジオではたくさんの木づちの音が響いていました。
かまぼこ状の形になると、のこぎりで鼻や口の部分に切り込みをいれていきます。
左右対称になるように、それぞれの長さを測るにはコンパスが便利です。
顔の部分を彫る段階では、鉛筆で下書きを繰り返しながら、丸のみ、平のみ、彫刻刀それぞれを使い分けて彫り進めていきます。
額や鼻、唇がそれぞれどのくらいの高さか、面と型を見比べて、上下をひっくり返したりいろんな角度から見たりよく観察することが大切になります。
顔の部分ができてくると、裏側を彫って、キリで目と口、鼻に穴を開ける工程です。
裏を彫る時は、おもて面でののみの使い方とは異なり、手首を動かしてくりぬいていきます。
穴を開けて仕上げ彫りで顔の細部ができてくると、だんだんと表情が現れました。
参加者のそれぞれの進み具合に合わせてところどころ井上さんがアドバイスをしてくれるので、参加者のみなさんは時間を忘れて自分のペースで制作できたようです。
楽しく集中できたので、二日間があっという間に過ぎたという声もありました。
少数の定員のため、ご参加できない方もいらっしゃいましたが、次回のワークショップにもぜひお申し込みください!