有川滋男ワークショップ@青森東高校

2016.11.6.日曜日

10月26日(水)は有川滋男さんが青森東高校にて出張ワークショップを開催しました。

有川さんが現在「カエテミル」展で発表している作品は、青森で撮影した映像のナレーションの無いものを9名の人に見てもらい、登場人物はどんな人なのか、何をしているのか、など、映像を自由に解釈してもらい、そこから抽出した言葉と映像を組み合わせて作られました。
今回のワークショップでは、この制作過程と同様に、新作の映像を見てもらってそれぞれ解釈する、ということを行いました。
映像は、1人の登場人物が野外である行為をしているというものです。それが誰なのか、何をしているのか、ということは語られません。

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今回お伺いしたのは青森東高校、美術部と放送部のみなさんが参加してくれました。

まずは1回目の作品鑑賞。映像は約8分です。
見終わると有川さんから「どうだった?どう思った?何をしてると思った?」と質問がありますが、なかなか出てこないものです。
そこで、「この登場人物は家族はいると思う?」という質問にしたところ、登場人物が結婚指輪をしていたという意見が。
また、名前は何だと思う?という質問には、2つほど名前の発表がありました。
この2つの質問を手掛かりに、2回目の鑑賞です。

実は、1回目の鑑賞はある場面の音が消えていたのですが、2回目には音があるバージョンを見てもらいました。
その音は、登場人物がハミングしているような歌のような音なのですが、これによって印象が変わったようです。
何をしている人なのか具体的な状況設定について発表してくれる生徒さんがいました。

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その後、登場人物はどんな人か、何をしているのかというキャラクター設定と、どんな状況なのか、場所はどこなのかなどそれぞれ思いついたことをメモしていきます。

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10分ほど経ったところでみなさんに発表してもらいました。
ここで印象的だったのが、ほとんどの人が、登場人物は奥さんはいるが亡くなっているか離婚しているという設定だったことです。
宇宙人だという意見も2人から挙がりました。
また、1回目には消えていた歌のような音や、映像に出てくる風車や丘などを手掛かりに読み込もうとする様子が見られました。

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そして3回目の鑑賞。
その後、再び思いついたことを書いてもらいます。
ここではかなりみなさん書き込みをしていて、メモ以上の文章になっている人もいました。

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それから見足りない人のためにもう2回映像を流し、見ながら原稿用紙にまとめていきます。

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そして、最後の発表です。

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発表されたものはほとんどのものが一人称の小説風に記述されていたこと、また、2回目の発表と同様、主人公の奥さんと風車、歌のような音が大きな要素となっていることが印象的でした。
一人称の小説風だったことの要因としては、原稿用紙にまとめたことと、最初に名前を考えたことが影響を与えているのかもしれません。

 

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