ガブリエラ・マンガノ&シルヴァーナ・マンガノ            トークイベント

2018.8.9.木曜日

8月4日は、開催中の夏のアーティスト・イン・レジデンス参加作家のうちの一組、ガブリエラ・マンガノ&シルヴァーノ・マンガノのトークイベントを行いました。

マンガノさんはパフォーマンス、映像作品を主に制作しています。
本展では、青森という地名の「青」に影響を受けたことからリサーチし、明治時代に発行された『青鞜』という、フェミニズム運動に関連した女流文芸雑誌の中にある詩をもとにビデオインスタレーションと彫刻を制作しました。
このトークイベントでは、これまでの活動の経緯を、過去の映像作品等をまじえてお話してくれました。

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イタリア人のご両親をもつマンガノさんは、幼いころから音楽に親しむ環境で育ったそうです。物心がついた時に初めて見たレコードジャケットのアートワークや古い白黒映画がその後の制作に影響を与えたといいますが、その中で一番着目していたのが、役者話している内容よりも、身振り手振りだったそうです。

はじめはそれぞれがドローイングを制作していましたが、その後二人で行うパフォーマンスを撮影した映像作品を制作するようになります。
スケッチをするために手を動かす瞬時性と、カメラで瞬間の動きをとらえることを同じことし、空間の中でパフォーマンスをする人の身体自体を線としてとらえていたといいます。

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その後表現する対象は社会や政治に変化していきます。
マスメディアやネットで飛び込んでくる映像や写真にでてくる人々の身振り手振りを取り入れたパフォーマンスを行い、社会で起きている出来事を、人の身体の動きで「翻訳」することを試みます。
社会に関心をもち、歴史の瞬間を記録するという役割も意識するようになったそうです。

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最後に、今回のプログラムの作品について解説がありました。
作品で取り入れた『青鞜』の中の詩には複数の言語の翻訳があり、マンガノさん達も自身の「翻訳」を作ろうとしたといいます。
映像の中で見られる身体をなぞる動きは、自分の存在を表し、地を触る動きでは、その空間に自分がいること、詩の一節にある山の噴火の描写を表しているということを話してくれました。

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次回は、今週末の11日です。同じく本展プログラムの参加作家のサヒル・ナイクさんのトークイベントを行います。作品をより深く知ることができる機会となります。ぜひお越しください!

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