7月29,30日船井美佐WS「いろのらくえんー丸と穴」
2017.8.2.水曜日
7月29(土)30日(日)は船井美佐さんのワークショップ「いろのらくえん-丸と穴」を開催しました。
文化施設や公民館などで企画される様々な造形講座は小学生以上向けのものがほとんどですが、今回は未就学児も参加できるよう、3歳以上から参加できるようにしました。
今回は5mのビニールキャンバスに、船井さんがご自身の作品にも使用する塗料を使ってみんなで絵を描きました。
最初に船井さんから作品のお話をしていただきます。
船井さんは絵画とは何かを一貫して追求し、奥行きが無いフラットな色面を構成したり、その上にドローイングをしたりということを試みています。
今回のワークショップでもみんなで大きな画面に絵を描いていって、最終的に全てが混じり合って大きな色面が出来る予定です。
また、普段の制作では作品の中に入り込んで行くことを考えて鏡を用いたり、体験型の作品を制作していますが、今回のワークショップも、自分の体より大きなキャンバスの上で自由に塗料と戯れることで、絵と一体化するような体験が用意されました。
お話が終わったら早速好きな色を選んで描き始めます。
紙皿1つに色を1つ入れて、別の色を使いたい時は新しいお皿に入れて筆も新しくします。
塗料は赤と黄を基調に準備しました。
色数が多いと混ざった時に濁ってしまうという理由が1つ。
そして、青森の人の情熱やお祭りの色から、船井さんにとっての青森の色は赤なんだそうです。
子供さんの年齢によって描くものも様々。
年齢が高いと自分が思い描いた模様や形を描いていき、小さいお子さんは手を動かして画面に色が乗るのを楽しんでいる様子。
途中で船井さんが大きなローラーで画面中央に線を引いていきます。
そうすると、「こっちも描いていいんだ!」と描く範囲が広がっていきます。
だんだん自分が描いた形が隣と混ざって、混ざった上に更に絵の具を乗せて絵の具の重なりを楽しんだり。
手に絵の具を塗って手形を付けていったり。
手形の延長で、手で絵の具を混ぜて感触を楽しんだり。
絵を描くというより、絵の具と戯れることと画面の中に没入していくように見えました。
最後は気に入った所を丸く切り抜き、みんなで鑑賞会をしました。
その後、キャンバスを野外ステージに運んで穴から顔を出して記念撮影。
ワークショップを通して、最初は手元に小さく描いていても、周りの様子や船井さんの誘導によってどんどん、こんなこともしていいんだ!こっちにも描いていいんだ!と子供さんがどんどんのびのびと自分を解放していく様子が見られました。
鑑賞会でも、発表者を募っても最初はみんなモジモジしていましたが、1人、2人と発表するうちにどんどん発表者が増えて行きました。
そんな子供達の様子を見て、子供達にここまでやってもいいのだ、こんなこともしてみていいんだ、と本人達が気づかずに奥にしまっている可能性を様々な刺激によって引き出してあげることが、いわゆる「成長」につながるのではないか、
つまり、成長とは外から何かの技術を獲得することではなく、中にあるものが表に出てくる状態ではないかと考えさせられました。