潘逸舟レクチャー
2017.11.30.木曜日
11月25日(土)、秋AIR参加作家の潘さんが、中高生向けにレクチャーをしました。青森東高校、青森南中学校、筒井中学校から有志の生徒さんが参加してくださいました。潘さんは、青森で過ごした時期やその時の思いから、制作への考え方まで、丁寧に話してくださいました。
潘さんは中国生まれですが、9歳から高校生までの時期を青森で過ごしました。留学するために来た両親とともに上海から青森へ移住した潘さんは、中学生の頃には美術好きの父の影響もあって、石膏デッサンを始め、高校生で美術コースへ進みます。その頃にACACでマリーナ・アブラモビッチの作品を観たことをきっかけに、現代美術に出会い、パフォーマンスの作品も制作し始めたそうです。
驚くのは、一人で交渉してある土地を借り、2日間の個展を成し遂げたことでした。展覧会には誰も来なかったそうですが、そのときに行ったパフォーマンスの記録映像《My Star》には、現在の潘さんの作品につながる「存在に関する問い」がありありと示されています。潘さんは、そのときの「すぐには認められない」状態が大事で、自分のいいと思うことを続けられる土台になったと振り返っていました。その後、芸大に行き、何を作りたいか悩んでいた時期についても「わからないなりにやってみるとおもしろいものができる」と背中を押すように話をしてくれました。
その後も、メルボルンで滞在制作した作品や現在ACACで展示している作品など、それぞれの時期の作品を見せながら、そのときの自分の気持ちや、関心を丁寧に話す姿に、生徒たちも耳を傾けて真剣に考えていました。
青森という環境で制作を始め、国内外で活躍する潘さん。青森の中高生たちは自分たちと同じ境遇をもつ潘さんの話に、勇気付けられたのではないでしょうか。