クレマンス・ショケ&ミカエル・ガミオ ワークショップ「それ、アヤシイ?」

2017.12.4.月曜日

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11月26日(日)、クレマンス・ショケとミカエル・ガミオによるワークショップ「それ、アヤシイ?」を開催しました。AVルームに集まって、終始リラックスしたムードで進みました。

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午前中は、複数の動画を見ることから始めました。妖怪やお化けといったものについて、今までどう表現されてきたかを考えていきます。例えば、フランスでは女性の嫉妬によってお化けが生れるという話があるそうですが、白雪姫になぞらえた古いアニメーションでも、自分よりも美しい白雪姫に嫉妬した女王が変身していきます。タイヤがひとりでに動き出していく映像からは、物が意思をもって、成長していくような印象を私たちに与えました。
どの映像も、モノクロのアニメーションや少人数の役者と舞台装置といった少ない要素で制作されたものですが、私たちの想像力をかきたて、人格のようなものを思い起こさせます。また、ルイス・ブニュエルによる映画《The Exterminating Angel》や車の渋滞を例に、誰かに強制されていないのに、集団のなかで自然と人がやってしまうことの不可解さにも話が展開しました。

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その次に、アーティストの二人が、「ちょっと奇妙だ」と思って撮影してきた写真を見ながら、そこに居そうな妖怪を考えました。メモだったり絵だったり、手元の紙にアイデアを書き溜めていきました。

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お昼休憩をはさんで、午後からは、さっき描いたアイデアをみんなで見せ合います。同じ写真でも考え方は皆さんバラバラ。例えば、バスの座席に残った跡を撮影した写真を見て、カップルのお化けを思い浮かべる人もいれば、両手で席を取ってしまうカエルのようなお化けを思いついた人もいました。アーティストがどんなところが気になって撮ったのかという話も交えながら、それぞれのアイデアを言い合って楽しみました。次に、それぞれが撮ってきた写真をみんなで見せ合いながら、どうしてそれが気になったのか、エピソードを共有していきます。
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その後、音を聞いて、そのイメージでドローイングをしました。「キュルキュル」というようなこすれる音に聞こえた人は「鉛筆とキャップをこする音」と表現したり、他の人は「かざぐるまの音」や「ネズミの鳴き声」に聞こえたり、こちらも印象はさまざま。

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最後に今までの写真やスケッチをもう一度見ながら、組み合わせたり、発想を膨らませて、絵を描いたり、ストーリーをつくったりしました。ちょっとずつ違う活動をして、少しずつ考えを深めていくことでじっくりと楽しめたようでした。

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