サヒルナイク トークイベント

2018.8.19.日曜日

811日に夏AIR参加アーティスト、サヒル・ナイクによるアーティスト・トーク「遭遇の場所」を開催しました。

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まずは、美術に触れた最初の経験の話から始まりました。出身地のゴアでの祭りやポルトガルの様式が混じった建物などから子ども時代に影響を受けたそうです。
その後は自分の作品を順に紹介しました。テロリストだと疑われた経験から制作した《Ground Zero / Artist as the Suspect》では、普段安心して過ごしている自身のスタジオやカフェを模した作品の内側に、事件が起きたような表現をしています。それと同時期に制作した《Lazarus》では一見安全に見える温室の中で、鉛でできた林檎の木の根元では土が奇妙に動くなど異常な様子を見せていました。これらの作品では、安全な場所が脅かされる可能性や安全だと思い込むことへの疑いの目が向けられています。

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また、学生時代に住んでいたスラム地区のリサーチから生まれた《Lazaretto》では、密集した様子や塀の張り紙まで、ゴアの空き家をモデルにした《Portraits of Home and Exit wounds》も家具の位置まで非常に緻密に作られています。これらの作品から、建物が物語る歴史、鑑賞者によって推測の物語が出来上がることに関心が向けられていきました。

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家と個人または小さなコミュニティの歴史を題材にしていた過去作から、ACACで展示されている《Monument, Mausoleum, Memorial, Modernism》は建築が近代化の歴史の目撃者であることを表し、彼の続く関心と変化がわかります。
継続中のリサーチも紹介され、これからの活動も楽しみになるトークでした。

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