[AIR2013/ Exchange]リンダ・ハフェンシュタインさんワークショップ

2013.12.1.日曜日

11月30日(土)はリンダ・ハフェンシュタインさんのワークショップ「statements-身元偽装」を開催いたしました。

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

statements という単語はなかなか日本語に訳しにくい言葉ですが、今回は「自分を言い表すもの」としました。

まず、参加者の方に書き込みシートを配ります。

そのシートには「私は______です」と書かれていて、下線部分に当てはまる言葉を考えます。

「私は____です」を埋める時には、以下の条件があります。

1、自分のことを他人に説明する(自己紹介)時に何と言うか、自分を表す文章や言葉を15個書きだしてもらう。

2、自分の母親が自分のことをどう思っているかを15個書きだしてもらう。

どちらも、主語は「私」です。

自分が思う自分の事、母親という近くにいる他者が思う自分の事という2パターンで自分について考えてもらいました。

リンダ2-1

それから、 3、1と2で書きだした自分のを表すことの中から、普段他人には隠していたり、言いづらいことで、でも自分に一番近いと思うものを10個選んで別のシートに書き出しました。

リンダ2

 

午後からはカメラの前で、選んだ10個の言葉を喋ってもらいました。

4、まずは、自分が選んだ自分の言葉をしゃべります。

 

リンダ3

5、次に、隣の人と自分のシートを交換して、喋ります。

ここでも主語は「私」です。

ここで表れてきたのは、他者の言葉を喋るみなさんの表情の変化、そして、言葉とそれを喋っている人との不思議な一致と違和感です。

 

参加者の皆さんは、大学生から60代の方、男性も女性もおり、バラエティに富んだ参加者の方の中でシートを交換したのですが、今日初めて会った他者の言葉を話しているのに、その人が自分について話しているように見えたり、逆に、それまでの本人とは別人に見えてきたりしました。

6、最後に、全員の言葉をバラバラにして混ぜて、集まった50個の言葉の中から、自分の理想とする自分やなってみたい自分という条件で10個選び、喋ります。

リンダ4

自分について考えて言葉や文にし、それをカメラの前で喋る、言ってしまえば単純な作業の繰り返しでしたが、 異なるパターンの同じ作業を繰り返すことで、他者の言葉が自分の言葉のように思えてきたり、年齢や性別が違っても共通する言葉があったりと、自分の内面に深く潜って行きながらも、一方で自分の輪郭が曖昧になってゆくことを体験するような時間となりました。

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