出張ワークショップ@青森中央高校
2015.10.7.水曜日
永岡大輔さんの記事が続きます。
8月25日(火)、9月1日(火)の2週に渡り、青森中央高校にお邪魔して美術系列2年生のみなさんと永岡さんのワークショップ「サラムドゥル」を行いました。
サラムドゥルとは、好きな本を2―3冊選び、そこから文や単語を抽出して新しい文章を作るというワークショップです。
8月25日にはまず、みなさんに持ってきた本の紹介をしてもらいました。
なぜその本を選んだのかという理由の背後から生徒さんそれぞれの個性が見え隠れします。
それから、1冊の本から任意の1ページをコピーします。
コピーしたものをひたすらハサミで切っていきます。
この時、文で切ったり、単語で切ったりと、色々な長さの文や言葉を作るのがコツです。
ここまでで1回目は終了です。
翌週の9月1日は、いよいよ文章を作っていきます。
まず4-5人でグループを作ります。
そして、一人10個の手札(文か単語)を用意します。
そして、順番を決めて1つずつ紙皿の上に出していきます。
次に手札を出す人は文法的に意味が通るように出さなければいけません。
そして、3回ずつ出したら終了。
最後の人は文を終わらせなければいけません。
例えばこんな文章ができました。
「地面に落下した・・・。三分くらい経っただろうか。『おまえ、なに考えてる?』兄がその日も地下鉄のトンネル内で、深いため息をつく。微妙な違和感、本当はわかっているはずだ。その姿は 跳躍を繰り返す。私だ。」
「今夜私は考えて、つぶやく。『ワオー』これがいつまで続くのだろうと思った。『おもしろいわねえ・・・』顔を上げました。気がつくと、止めに走った。しかし、耳には届いていません。」
文法的にはつながっていますが、これだけでは意味がわかりません。
そこで次に、この文章に書かれているのがどういう状況なのか、登場人物は誰かなどを想像し、文章を解釈していきます。
実はサラムドゥルでは単純に文章を作って終わりではなく、そこに表現されているものは何なのかを考えるこのパートが一番重要です。
生徒さんからは最初、意味が通らない文章に対して「魔法を使って」とか、「裏の世界の取引で」とかいう推測が出てきます。
これはゲームやアニメに親しんでいる世代特有の想像力とも言えますが、魔法で解決するのは安易な結論とも言えます。
しかし生徒達の会話に永岡さんが入って質問を投げかけることで、徐々に解釈が深まっていきました。
サラムドゥルは文章を作るワークショップと言うより、作品鑑賞のワークショップと言ってよいかと思います。
最後に2つ文章を選んでグループごとに発表してもらいました。