8月7日(日)ヨーグ・オベルグフェルワークショップ
2016.8.7.日曜日
8月7日(日)は、
ヨーグ・オベルグフェルさんのワークショップ&レクチャー「日曜大工の類型学」を開催しました。
今回のワークショップのテーマはドイツの写真家ベッヒャー夫妻が始めた「類型学(Typology)」の作品で、開催中の展覧会「普遍的な風景」でヨーグさんが発表した作品でも参照されています。
午前中のワークショップでは、15個の木片を積木のように組み立て小さな建物を作り、写真に撮ることを9回繰り返し、9枚の写真をモノクロにして並べ、ベッヒャーの写真のような作品を作りました。
まずは木片選びから。
木片は作業で余った木っ端を集めたものです。
最初に選んだ15個は変えずにそのまま使います。
それから組み立てです。
木片の下や周りにタオルやマットなどを置くと、写真に写した時に芝生や丘のように見えて建築写真風の雰囲気が出ます。
9個の別々の形を作るのは子供の方が得意そう。大人はなかなかバリエーションを作るのが難しそうでした。
9枚撮影したら、ヨーグさんがレイアウトしてA3の紙に印刷し、参加者の皆さんにお渡ししました。
写真は全てモノクロにしましたが、それだけでも大分写真の雰囲気が変わります。
また、参加者は4歳のお子さんから大人まで幅広い年齢の方がいらっしゃいましたが、出来上がった写真を見ると大人と子供が作ったものはほとんど違いが分かりません。
午後のレクチャーでは、ベッヒャーと、ベッヒャーに連なる試みを行ってきたアーティスト達の作品について、スライドと映像を見ながらお話しいただきました。
レクチャーの最後には、インターネットで「類型学」で画像検索する大量に出てくる一般の方が撮影した類型学風写真も登場しました。
一般の方が撮った類型学風写真には、歯ブラシやチョコレートなど身の周りの大量生産品や食品などあらゆるものが対象となっています。ヨーグさんは哲学者プラトンのイデア論を引きながら、何らかのものの写真を多量に集めて見せることで、そのものの本質的なことが浮かび上がってくるのではないかという話をされていたことが印象的でした。