2月4日鈴木基真WS「モデリング-粘土でつくる平面世界」
2017.2.7.火曜日
毎年恒例の「冬の芸術講座」、今年は「どこかの面影」というテーマの下、3人の講師の方による5回のワークショップを2―3月に掛けて開催中です。
2月4日(土)、5日(日)はアーティスト鈴木基真さんを講師にお迎えして、立体造形のワークショップを行いました。
両日どちらも、写真や絵など平面のものをもとに、粘土や木で立体の作品を作ります。
これは、鈴木さんご自身が写真やアメリカ映画の一場面などの平面から木彫で立体の作品を制作していることと同様のプロセスです。
2月4日(土)の「モデリング-粘土で作る並行世界」では、参加者の方に思い出や思い入れのある場所、風景、建物の写真を持参してもらい、それをもとに油粘土で立体にしていきました。
集まった写真は、八戸の蕪島神社や、函館の坂道、通っている学校など、身近な風景です。
1人1kgの油粘土を使って、まずは一人で形を作っていきます。
油粘土なんて何年ぶりに触るんだろう?と大人の参加者のみなさん。
小学生の方が現役で使っているせいか、作業のスピードが速いです。
函館の坂を作っていた方は、写真の中で手前が大きく、奥が小さく遠近法になっているものを、立体でもそのまま作っていて、スケールが入り交じった立体になっていました。これも平面から作る面白さです。
大体1時間位かけて一人ずつ作品を作ったら、次は全員分を台座の上に置いてみます。
まずはそれぞれが作ったものをゆっくり鑑賞してから、
それぞれの建物や場所が一つの空間に存在するように、道を作ってみたり、配置を変えてみたりして、空間構成をしていきます。
函館の海に蕪島神社があったり、学校にロープウェイで行けるようになったり。
油粘土は持って帰れないので、最後にみなさんには写真に収めてもらいました。
写真を撮ることで、平面から立体になったものが再び平面に戻ります。
鈴木さんいわく、最初に一人ずつ作業をしていたものを台座の上で集めて配置を始めた時の、ちょっと暴走気味だったり、本来は関係性が無いものに関係性を作っていく無理やりさ加減を楽しむ感じなどは、どこでワークショップをやっても変わらないものなんだそうです。
プライベートのものがパブリックに変化していく、ということもおっしゃっていましたが、集団の中に置いてみることで引き出される自分の作品の別の側面や、出来て来る関係性は、人間がある共同体の中でどのような存在として自分を位置づけていくかということにも共通するような、ワクワク感と共に緊張感も伴うような作業のような気がします。