クィン・バントゥ アーティスト・トーク

2018.11.25.日曜日

11月11日、クィン・バントゥさんのアーティスト・トークを開催しました。その概要をご紹介します。
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クィンさんは自身を「建築家/アーティスト」と紹介します。建築の手法によって彼女は作品を制作し、そこで生まれる空間と人の動きや関係性に注目し続けてきました。
大学の構内で人が通り過ぎるだけだった場所に4mもの大きなボールを複数設置して、空間の中に新たな空間が生まれることで、人々が立ち止まりその場所と人とが関わりを持つ作品を作りました。弾ませて遊ぶ人がいるなど予想しなかった発見も生まれてきたそうです。
16世紀の建物の上に建てられた考古学の博物館で制作した作品《Within the Horizon》では、振り付けられたダンサー達は狭い通路で小走りにすれ違ったり、うずくまって道幅をより狭くしてみたり、時にはじっとして建築になじんだり、いつも身体と建築が新しい関係性を築いていました。建築の中を動き回る身体は時代の境界を超えるような存在にも見えてきました。
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ACACでの最新作《Dreaming of Katsura(桂を夢見て)》の前に制作され、同様に日本の建築や庭園に影響を受けた《Kyokai(境界)》は、神山アーティスト・イン・レジデンスで今も継続している作品です。桜の時期以外では活用されていなかった場所に、作品を設置したことで人が関わりあえる場所が生れたそうです。作品への通路を地元の人と協力して飛び石を設けた様子などを紹介してくれました。
作品・制作ともに人や場所と関わり、考え続けるクィンさんはの今後の活動に期待できるトークとなりました。
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