2月20・21日【自分の顔de雪だるまを作ろう】
2021.2.22.月曜日
2月20、21日(土、日)は毎年恒例となっている版画ワークショップとして、小野耕石さんを講師にお招きして「自分の顔de雪だるまを作ろう」を開催しました。
小野さんは、シルクスクリーンを表現手段とするアーティストで、同じ版で何回も(百回単位で)同じ場所に刷ることでインクを積層し、レリーフ状の立体にした作品で知られています。
また2004年からは、刷ったシート状のインクを積層して本の形にした、100%インクだけでできた「黒本」という作品も制作しています。
これは、キャンバスや紙といった支持体から、制作行為の結果としての絵の具やインクが独立した作品、というコンセプトで制作されています。
小野さんのウェブサイトはこちら>>https://www.onokouseki.com/
このコンセプトを発展させて企画されたのが今回のワークショップです。
雪はいうまでも無く水からできていて、気温に応じてどんどん液体に変化していきます。そして最後には水も蒸発し、支持体が消失します。油性インクは水には溶けないので、理論上は制作行為であるインクは宙ぶらりんのまま、この世を漂うことになるのでしょうか。
もしくは、雪が解けるにつれて、インクで刷った絵柄もどんどん変形していき、制作行為もそれとともに抗えない力によって変化していく、ともいえるでしょう。
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ワークショップではまず、シルクスクリーンで雪だるまの顔になるパーツを作っていきます。
最初に版を作る下準備として、スクリーンに乳剤を塗ります。
5歳の子供さんも保護者の方と一緒に挑戦。もしかしてシルクスクリーンをする人の最年少記録を更新したかも!?
しばらく乾かす間に、顔の写真を撮影します。
数パターンの表情で撮影します。
撮影した写真はphotoshopを使って、ドットの原稿に直します。
コピー用紙に印刷した原稿に、流動パラフィンを塗って半透明の紙にします。これで光を透過させやすくします。
それから、顔の各パーツを切り抜き、露光感光機の上に乗せ、その上にスクリーンを乗せて感光させて版を作ります。
感光させたらすぐに水洗いして、版を確認します。今回の感光時間は2分程度。
これで版は完成。早速刷ってみます。
雪だるま用のパーツは、オブラートに刷ります。
そうすると、雪だるまの水分でオブラートが溶け、雪だるまにインクを接着することができます。
今回は直径9㎝のオブラートを10㎝角の台紙に貼ってから刷りました。
雪だるまに貼る時は、霧吹きで水分をかけて、オブラートを少し溶かしながら貼り付けます。
シルクスクリーンはインクを変えたら色々なものに刷ることが出来るので、2日目は紙やトートバッグにも刷ってみました。
そうやって完成した雪だるまはこちら!
パーツの並べ方で色々な表情が作れます。
津軽の神社の鳥居にいる鬼の写真を持って来た参加者の方がいたので、鬼の顔の雪だるまも作ってみました。
青森に住んでいると雪はもううんざり、、、とついつい家にこもり切りになってしまいますが、楽しむ方法はいくらでも見つけられる、と感じた2日間でした。
2月15日平野友愛withアオモリjr.
2020.2.17.月曜日
2月15日(土)は冬の芸術講座第2弾として、「平野友愛withアオモリjr.」を開催しました。
このワークショップは、青森県内の特別支援学校の教員有志の皆さんの任意団体「アウトプット展実行委員会」とACACの共催で開催しました。
同団体は、2015年、2018年には展覧会を開催し、継続して障害のある方の表現活動をサポートしてきました。
平野友愛さんはダウン症のアーティストで現在は豆乳プリンを作る仕事をしながら、制作活動を行っています。
地図をモチーフにした、細かい線をつないだカラフルな作品を制作し、2018年の「アウトプット展」では巨大なドローイングを発表しました。
今回のワークショップは平野さんを講師に、平野さんのよき理解者である青森第二高等養護学校の城戸英郎先生をパートナー講師にお迎えして開催しました。
参加者は青森市内の中学生のみなさんと、一般のみなさんです。
最初に、平野さんの自己紹介に続き、ご家族の方や職場の方へのインタビューを交えた、平野さんの生い立ちを紹介する動画を見ました。
動画の中では生まれた時のお話しも出てきて、家族に暖かく見守られながら成長してきたことがうかがえました。
その後、平野さんに実際に制作してもらいました。
黒い線で書かれたドローイングに、サインペンで色を付けていきます。
今回は平野さんの黒い線のドローイングをコピーした紙を何種類か用意して、参加者はそれにサインペンで色を付けていきます。
制限時間は20分!
同じようなサインペンで色をつけても、本当に人それぞれの模様が浮かび上がりました。
完成したものは、平野さんが貼り合わせて大きな地図にしていきます。
完成したものの前で記念撮影。
このワークショップは、もともとは岩手県花巻市の「るんびにい美術館」で「であい授業プロジェクト」として始まった試みです。
同プロジェクトは、知的障害のあるアーティストが講師として中学校に出向き、パートナー講師と共に授業を行うプロジェクトで、講師を人として知ることが一番の目的です。
講師はとても魅力的な作品を作るアーティストでもあり、そして障害者でもあります。しかし、特別な才能や障害というボーダーで区切られた特性を知るのではなく、目の前にいる「人」と素直に向き合うことで、社会にあるボーダーを無くしていくことが目論まれています。
同プロジェクトは既に花巻市の中学校で多くの実績を重ねています。
「アウトプット展実行委員会」では、今後青森の学校でも同様の試みを広げていこうと考えています。
今回のワークショップを始めの1歩として、この素敵な試みがどんどん広まっていくことを願っています。
1月11日(土)船井美佐WS「絵をかこう」
2020.1.12.日曜日
今年の冬の芸術講座が始まりました!
第1弾は1月11日(土)、船井美佐さんのワークショップ「絵をかこう」を開催しました。
船井さんは2017年にACACで個展を開催して、その時も大きなキャンバスに思いっきり絵を描くワークショップを開催して大好評でしたので、今回も同じ内容のワークショップをお願いしました。
丈夫な布のキャンバスに、絵の具は船井さんが作品制作につかうものと同じものです。
最初に船井さんから、ご自身の作品の紹介と、去年の冬に旅したブラジルや新潟の様子の写真を見せてもらい、雪の下に何があるか、雪を掘ったら何が出てくるかな、ということを想像して描いてみましょうというお話しがありました。
絵の具を選んで早速はじめます。
キャンバスの大きさは140㎝×5m。家でも学校でも使うことの無い大きさです。
一筆目は慎重に描きはじめる子も、大胆に大きく場所を使う子も。
雪の結晶を描いているそうです。
手を使う子も出てきました。
船井さんがローラーであちらとこちらをつなぎます。
混ざった上から更に描きます。
爪でひっかいて線を描く子も。
最後はクレヨンでも描いてみました。
最後にはこんな画面になりました。
一人ずつ感想を聞きました。
一番最後に、自分が描いた所を切り取って持って帰ってもらいました。
切り取ることで構図を考えることになり、描いていた時とは違う絵が生まれます。
時間が進むにつれてどんどん絵が大きくなって、いつの間にか隣の子と混ざっている子もいれば、一人で黙々と自分の絵に集中している子もいて、それぞれ違う絵の楽しみ方はがはっきり現れました。
また、筆を振ってドロッピングをしたり、爪でひっかいて重なった絵の具の下の色を見つけたり、自分で色々な描き方を発明している子が多かったように思います。
これからも自分のやり方で色んな絵を描いてくださいね!
5月26日(日)塚本悦雄ワークショップ2日目
2019.5.28.火曜日
5月25・26日(土・日)で開催された塚本悦雄さんのワークショップ「石膏で浮き彫り彫刻をつくろう」、2日目の様子をご紹介します。
1日目に流し込んだ石膏は一晩経って完全に乾燥しています。それを、金づちを使ってたたいて、中の彫刻を割り出していきます。外側の石膏と一緒に中が割れてしまっていたり、石膏が隅まで届いていなかったりで、欠けてしまっていた方も、、、でも大丈夫、石膏をまた付ければ補修ができます。補修をしたら、彫刻刀で彫りが浅い所を彫りなおして、最後に紙やすりでつるつるにやすりがけをして完成です。
塚本悦雄ワークショップ1日目
2019.5.26.日曜日
5月25・26日(土・日)で塚本悦雄さんのワークショップ「石膏で浮き彫り彫刻を作ろう」を開催中。
直径18センチのレリーフを石膏で作ります。
1日目の25日は、粘土で原型を作ってから、石膏で型取りするところまでを行いました。
まずは粘土で原型を作ります。
1時間すこし粘土と格闘し、原型ができた人から石膏の型取りを始めます。
20分ほどで石膏が固まったら粘土を取り出します。
粘土が取れたら水洗いし、最後にせっけん液にくぐらせます。
これで被膜が出来るので、型に同じ石膏を入れてもくっつかずに型抜きができることになります。
できた型にふたたび石膏を流し込みます。
最後に補強のための繊維を混ぜて1日目は終了。
一晩乾燥させて、2日目はいよいよ取り出します。
山下さん出張ワークショップ
2018.12.2.日曜日
11月30日(金)は、青森市内の福祉施設「ほ・だあちゃ」(運営:NPO法人ドアドアらうんど・アオモリ)へ、山下彩子さんの出張ワークショップに行ってまいりました。
ほ・だあちゃさんは、障害のある方の表現活動を支援する施設としては青森市内では先駆けの存在ですが、造形活動を中心に行っており、パフォーミングアーツの分野のワークショップは今回初めてのことだそうで、利用者の皆さんがどのような反応をされるのか、やってみるまでみんなドキドキでした。
なのですが、そんな心配は一瞬に吹き飛ぶほど、最初から皆さんノリノリで体を動かしてくれました。
音楽に合わせて手を叩くことから始め、自分の名前を書いてみたり、床に寝っ転がったり、木の葉の動きをしてみたり、カフェスペースと廊下を行き来して全身を動かしながら約1時間弱を過ごしました。
ワークショップの後、参加者の方が山下さんをモデルに絵を描いてくれました!